公式BLOG
HOME  >  公式BLOG

    破産事件について

    2021-02-19 | 弁護士の業務内容 >事務対応について >

    破産事件について

     事務スタッフとして働いてきて、今までいろいろな事件を担当させていただきました。その中でも、破産関連の事件は、弁護士の確認や指示を仰ぎながら、事務スタッフも関わることができる範囲も広く、自主性を持って取り組むことができる業務です。
     今回は、破産管財事件について少しお話させていただきます。
     
    1.破産申立事件とは
     債務整理の法的手続のひとつに自己破産申立手続があります。自己破産申立手続は、債務者の状況により、同時廃止手続と破産管財手続とに分かれます。
     同時廃止手続は、個人の債務者のみが対象となり、法人の場合はもれなく破産管財手続となります。また、法人の代表者は破産管財手続となります。個人の債務者の場合でも、ある程度の財産がある場合は破産管財事件となります。
     同時廃止手続とは、破産開始決定と同時に破産手続が廃止され、免責決定も同時に出ます。
     これに対して、破産管財手続とは、裁判所により破産管財人の弁護士を選任され、破産管財人が破産者の財産及び負債等を調査、換価できるものは換価し、破産者の財産が出来る限り減少しないよう負債の発生を抑え、債権者に配当をしたのち、破産終結決定が裁判所より出され、手続が終了します。配当に至らなかった場合は、異時廃止決定が裁判所より出され、手続が終了します。

    2.破産管財事件について
    ⑴ 開始決定まで
     破産管財手続の流れとして、まず、裁判所から破産管財人候補者の弁護士に、破産管財人の就任可能かどうか確認があります。管財人候補者の弁護士の事務所では、債務者や債権者等関係者との利益相反がないかどうかチェックし、裁判所に就任が可能である旨連絡をします。
     就任が決まれば、裁判所から破産開始決定が出されます。
    ⑵ 開始決定後
     開始決定時に破産財団の形成がある程度見込める場合は、破産開始決定と負債額の調査も行いますが、破産財団の形成が見込めない場合や不明な場合は、負債額は調査せず、破産開始決定通知だけを行います。
     その後、破産管財人名義の預金口座を開設し、申立代理人からの引継現金を預かります。また、破産者の財産を換価した場合は、この預金口座へ入金していきます。これと反対に、破産財団を維持するために必要な経費(財団債権と言います。例えば、オフィスを賃貸していた法人の破産手続の場合、賃貸物件の明渡し費用であるとか、ビル経営者の個人の破産管財手続の場合、ビルの維持管理費用であるとかetc.)はこの預金から支払いをしていきます。
     破産者宛の郵便物は破産管財人に漏れなく転送されるように、開始決定時に裁判所から回送嘱託が郵便局に出されます。
    ⑶ 弁済・配当
     換価をし、破産財団を維持するための財団債権を弁済していき、最終的に破産財団が形成されれば、債権の弁済を行っていくのですが、債権には優先順位があり、財団債権、優先債権、一般破産債権の順に弁済していきます。まず、開始決定時からさかのぼって1年以内に発生した税金(これを財団債権と呼びます)の弁済をします。それでも破産財団に余剰があれば、公租公課のうち、開始決定時からさかのぼって1年以上前に発生した税金(優先債権と呼びます)の弁済、それでも余剰があれば、一般破産債権の弁済をするのですが、優先債権と一般破産債権については、通常簡易配当の形をとります。簡易配当まで完了すれば、破産手続は終了します。
     
    (事務スタッフ 山村)

    相続手続について

    2021-02-08 | 事務対応について >

    相続手続について

     

     先日、ご依頼いただいていた相続の案件が続けて無事に解決しました。
     この機会に、法律事務所で行う相続手続がどういったものか、まとめてみまし た。

    ・相続人の調査
     相続が発生したら、まず相続人の調査を行います。
     自分以外にも相続人がいるのかどうか、誰が相続人にあたるのかを把握出来て いない場合もあるかと思います。
     当事務所にて諸機関での相続手続のために必要な戸籍謄本等を取り寄せ、亡くなった方の相続人を特定します。
     取り寄せた戸籍等をもとに、各種手続で必要になる、相続人関係図を作成します。
     場合によっては、法務局の法定相続情報証明制度を利用します。

    ・相続財産の調査
     相続人が確定したら、金融機関や保険会社等に照会して、亡くなった方の相続財産の調査確認を行い、財産をリストアップします。
     はじめから遺産の詳細が分かっている場合は確認が主となりますが、情報が少ない場合は法律事務所としての腕の見せ所です。

    ・遺産分割協議書の作成
     相続人と相続財産が確定したら、遺産分割協議で合意した内容をもとに遺産分割協議書を作成し、各相続人全員の実印の捺印、印鑑証明書の添付をしていただき、法的に効力のある書類とします。

    ・金融機関の相続手続き・保険金等の請求
     金融機関や保険会社等から、必要書類を取り寄せ、解約・払戻手続まで行います。
     金融機関ごとに書式や必要書類が異なり、遺産分割協議書を作成していても相続人全員の署名・捺印が必要な書類があることも多いので、より簡潔に進められるよう、当事務所で取りまとめて手続を行います(一部の機関では、代理人では対応できない場合もあり、その場合は当事務所において出来る範囲まで手続を進め、最終的な請求は相続人ご本人様から行っていただくことになります)。
     解約後は、当事務所の預り金専用口座でお預かりし、遺産分割協議書にしたがって分配手続を行います。

     相続人調査や相続財産調査を個人で全て行うのは煩雑で大変です。
     調査が不十分で、相続手続開始後に相続人や相続財産の漏れが発覚すると、遺産分割協議を一からやり直さなければならなくなります。
      
     スムーズに分割協議を進められるよう、調査に携わる法律事務所の職員として、これからも注意しながら取り組んでいきたいと思います。

     相続人同士が疎遠であったり、感情的なもつれがある、相続人同士で争いがある場合など、当事者間ではなかなか解決しないことも多いかと思いますし、ポイントのアドバイスを受けるだけでも十分意味があると思いますので、まずは気軽にご相談いただくのが良いのではないでしょうか。

    (事務スタッフ 平尾)

    不祥事調査

    2021-02-03 | 弁護士の業務内容 >

    不祥事調査

    昨年に第三者委員として調査を行った件に関し、調査報告書に記載した再発防止策の提言について、多岐にわたる項目でしたが、全ての項目について対応が完了したという報告を先日いただきました。

    調査内容が多岐にわたるなか、スケジュール的にもタイトで、当時は、年末年始の休みも返上して作業することになり、大変だった記憶がありますが、会社にて、きっちりと改善対応いただき、前向きな新しいスタートが切れていることをお聞きすると、頑張った甲斐があったと非常に嬉しく思います。

    第三者委員会による不祥事調査は危機管理の問題ですが、神戸の中小企業においても、平時の内部統制として、定期的な内部調査、監査に弁護士を使うことは有用と思いますので、うまくご活用いただければと思います。

    弁護士 松谷卓也

ページトップへ