法人のお客様
HOME  >  法人のお客様  >  不祥事調査、危機管理対応  >  平時における危機管理

平時における危機管理

企業の不祥事が、一旦、外部に発覚すると、賠償責任や風評被害、法的責任を超えた対応を迫られることになり、企業価値が大きく毀損されることになります。

そのため、平時から不祥事を予防し、あるいは不祥事が生じた場合に適切な対応ができるよう対応する必要があります。

1 社内規定、マニュアル等の整備

まず、不祥事の防止に直接関わる社内規定、マニュアル等について、企業の実情、特性に合致したものを整備し、役員、従業員への研修等も含めた社内への周知徹底が有効といえます。

また、企業によっては、人事評価制度についても、不正を誘発する動機となるほど過度に業績評価に依存しているものになっていないか等、不正リスクの管理の観点から再検証することも有効といえます。

2 組織体制の整備

過去の企業不祥事事例においては、組織体制として、監視、監督の目の行き届きにくさが挙げられることがあります。

例えば、特定の人物に過度な権限が与えられ、他の役員、従業員からのチェックが働かない結果、当該人物と取引先との間に癒着が生じたり、横領行為が行われるケースや、特定の部署、ポジションと他の部署との人事交流が滞留し、閉鎖的な環境にある結果、他部署からのチェックが働かなくなることで、当該部署内で形成された常識が、法律、倫理と乖離してしまい、不祥事の原因となるケースが考えられます。

そのため、定期的な人事ローテーション、他部署との人事交流の活性化や、特定の役員、従業員の行なった業務について、他の役員、従業員がチェックできる体制(複数チェック体制)の構築、特定の役員、従業員への権限集中の防止等、組織体制の整備が有効と考えられます。

3 不祥事の早期発見

不祥事には何らかの兆候があるのが通常ですが、平時において、その兆候を早期把握する方法として、内部通報制度の整備、内部監査等が考えられます。

⑴ 内部通報制度

内部通報制度とは、企業の不正を知る従業員等からの通報を受け、通報者の保護を図りつつ、適切な調査、是正及び再発防止策を講じる企業内の仕組みを言い、企業内部の問題がいきなり外部に通報されることを防ぎ、問題を企業内部で早期に把握することができるようにすることで、リスクを適切に管理し、問題が大きくならないうちに解決することが可能となること、コンプライアンス経営を促進していることを対外的に示し、消費者、取引先、株主、投資家、地域社会等を始めとするステークホルダーからの信頼獲得に資すること、従業員のコンプライアンス意識を高めるとの効用が期待されます。

そして、内部通報制度については、消費者庁から、民間向けガイドライン(「公益通報者保護法を踏まえた内部通報制度の整備・運用に関する民事事業者向けガイドライン」2016年12月改正)が公表されており、かかるガイドラインを参考に、企業の実情に応じた適切な内部通報制度の整備、運用が望ましいとされています。

⑵ 内部監査

企業内に、各部署から独立した内部監査部門を設置し、定期的に監査を行う方法も有効といえます。

そして、社内の者のみによる監査では、社内の常識、風土が世間と乖離している場合等では監査に限界があると考えられることから、必要に応じて弁護士等の外部の専門家を活用することも検討が必要です。

 

不祥事調査、危機管理対応に関連する情報

ページトップへ