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経営者保証に関するガイドライン

2018-06-04 | 弁護士の業務内容 >

平成30年6月2日、全国倒産処理弁護士ネットワーク主催の近畿地区研修会として、経営者保証に関するガイドラインについての研修会が兵庫県弁護士会館で開催されました。

今回の研修会では、当日の参加だけでなく、研修会の事前準備と当日の運営に携わり、経営者保証に関するガイドラインに基づく保証債務の整理方法について勉強させていただきました。

経営者保証に関するガイドラインに基づく保証債務の整理は、現在、扱っている弁護士の数も少ないため、会社が倒産した場合の経営者自身の保証債務の整理については、破産等の裁判所を通じた法的整理を行うケースがほとんどではないかと思いますが、経営者保証に関するガイドラインをうまく利用することができれば、破産をせずに経営者個人の経済的再生を図ることができ、破産する場合と比較し、自由財産だけでなくインセンティブ資産を含めたより多くの資産を経営者個人の手元に残し、より円滑な経済的再生の道を図ることができる可能性があるなど、非常に有用な制度となるものです。

一方で、破産と異なり、債権者となる金融機関との交渉、同意が必要となるなど、破産よりも手続きに時間と処理手続きが必要になる等、利用の支障となる側面があることも否定できないところです。

このように、経営者保証に関するガイドラインに基づく保証債務の整理は、メリット、デメリットがあるものですが、倒産処理、経済的再生にあたってのメニューが増え、経営者にとってあらたな選択肢が広がっていることは良いことですし、うまく利用できれば有用な制度となるものです。

経営者の皆様からの資金繰りの相談、倒産処理の相談にあたっては、同ガイドラインも踏まえ、経営者の皆様にとってよりよいアドバイスとなるよう、今後とも勉強、研究を続けていきたいと思います。

(弁護士 松谷)

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