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    自転車の交通ルールについて

    2022-10-26 | 判例・法令等 >

    自転車の交通ルールについて

    2020年6月30日に施行された改正道路交通法により、自転車の危険運転が厳罰化されましたが、自転車の交通違反による事故が相次いでいることから、2022年10月下旬より自転車の交通違反に対する取り締まりが強化されることになりました。

    今までは警告だったケースでも、悪質な違反については刑事罰の対象となる、交通切符(赤切符)を交付して検挙する方針を固めているようです。
    また、交通切符を交付されると、検察庁に送致され、刑事罰の対象となり、一定の期間内に繰り返し検挙された場合は、講習の受講が義務づけられています。

    今回改めて自転車の交通ルールを確認してみると、ありがちな違反や、一時停止・安全確認が車と同様に必要であることや、歩道を走る際は中央より車道側を徐行すること等、誤解しやすい事項がありました。
    免許がなくても利用できる自転車は、生活に欠かせない人も多いかと思いますが、利用するからにはルールを知らなかったでは済まされません。

    当事務所でも業務上、自転車事故の事案を取り扱うことがありますが、自転車で走行中に歩行者と接触し、加害者となった場合、高額な損害賠償が命じられることもありますので、自分が加害者になることがないよう、自動車と自転車の取り締まり制度の違いも含め、自転車のルールについてしっかり認識して利用することで、事故の当事者となる可能性を少しでも減らせるのではないかと思います。

    自転車の正しい乗り方【警視庁パンフレット】

    (事務スタッフ 平尾)

    令和3年改正プロバイダ責任制限法について

    2022-05-31 | 判例・法令等 >

    令和3年改正プロバイダ責任制限法について

    テレビ番組に出演していたプロレスラーの女性がSNS上での誹謗中傷を受け自ら命を絶ってしまった事件や、池袋暴走事故の遺族の方に対するSNS上の誹謗中傷の事件は記憶に新しいことかと思います。こういった事件を受け、2021年4月21日、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(=プロバイダ責任制限法)の一部を改正する法律」が成立しました。

    施行日は、公布の日(同年4月28日)から1年6月を超えない範囲で定められますので、遅くとも2022年10月頃には新法が施行されることとなります。

    発信者情報を開示するには、今まではコンテンツプロバイダに対する仮処分手続の後、アクセスプロバイダに対する訴訟手続という二度の裁判手続が必要でしたが、今回の改正では、「発信者情報開示命令」という制度を作り、一度の非訟手続で発信者情報の開示ができるようになりました。被害者は、コンテンツプロバイダに対する発信者情報開示命令申立事件とアクセスプロバイダに対する発信者情報開示命令申立事件を同じ地方裁判所に同時に申立て、両事件は併合され審理されることとなります。

    開示命令申立事件の管轄は、相手方(現時点ではコンテンツプロバイダを指すと考えられています)の主たる事業所または営業所の所在を管轄する裁判所とされていますが、東日本であれば東京地方裁判所、西日本であれば大阪地方裁判所へも申立てが可能となりました。

    新法の「発信者情報開示命令」制度を利用すれば、現在よりも短い期間と少ない費用で発信者情報が開示されることが予想され、旧法での仮処分手続に必要であった担保金も不要となるなど、被害者にとっては負担が軽減されると思われます。

    なお、削除請求については、今回の改正では組み込まれなかったため、従来通り仮処分等の手続を行う必要があります。

    匿名をいいことに、ネット上に好き勝手に誹謗中傷を書き込み、被害者を苦しめる事件が後を絶ちません。新法が施行され、そういった被害者が少なくなることを期待するとともに、当事務所としても被害者を助ける役割を担っていきたいと思います。

    改正プロバイダ責任制限法

    引用元:総務省ホームページ

    (事務スタッフ 山村)

    不動産登記法改正について

    2022-05-19 | 判例・法令等 >

    不動産登記法改正について

    令和3年、民法・不動産登記法等の一部を改正する法律が成立しました。その中で、所有者不明土地の発生予防と既に発生している所有者不明土地の利用の円滑化の両面から、不動産登記制度の見直しが図られました。

    これまでは、相続登記の申請は義務ではなく、申請をしなくても罰則等はなかったため、相続登記がなされないまま相続が繰り返され、土地共有者がねずみ算式に増加し、所有者の探索に多大な時間と費用が必要となることが、地方を中心に問題となってきました。

    また、所有者の住所変更登記等の申請も義務ではなかったため、所有者が住所変更の登記をせず、所在が不明となる場合もありました。

    所有者の所在等が不明な場合には、土地が管理されず放置されることが多いうえ、共有者が多数の場合や一部所在不明の場合、土地の管理、利用のために必要な合意形成が困難であり、公共事業や復旧、復興事業が円滑に進まず、民間取引が阻害されるなど土地の利活用を阻害し、土地が管理不全化して隣接する土地への悪影響が発生するなど、社会問題化しています。今後ますます深刻化するおそれがあり、所有者不明土地問題解決は喫緊の課題となっていました。

    そこでとられた制度の見直しとして、主な改正項目は、①相続登記の申請の義務化、②住所変更登記等の申請の義務化の2点となります。

    ① 相続登記の申請の義務化について(令和6年4月1日施行)
     ⑴ 不動産を取得した相続人に対し、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をすることを義務付ける【新法第76条の2】。
     ⑵ 正当な理由がないのにその申請を怠った場合には、10万円以下の過料に処することとする【新法第164条第1項】。
     
    施行日(令和6年4月1日)以前に相続が発生していたケースについても、登記の申請義務は課されます。その場合、施行日とそれぞれの要件を充足した日のいずれか遅い日から法定の期間(3年間)がスタートします。

    ② 住所変更登記等の申請の義務化について(公布後5年以内施行)
     ⑴ 所有権の登記名義人に対し、住所等の変更日から2年以内にその変更登記の申請をすることを義務付ける【新法第76条の5】。
     ⑵ 正当な理由がないのにその申請を怠った場合には、5万円以下の過料に処することとする【新法第164条第2項】。
      
    施行日(公布後5年以内施行)前に住所等変更が発生していたケースについても、登記の申請義務は課されます。その場合、施行日とそれぞれの要件を充足した日のいずれか遅い日から法定の期間(2年間)がスタートします。

    登記未了の不動産は、遺産分割協議も行われていなかったり、過去に協議はしたが書面が残っておらず、さらなる相続も発生し、現在の相続人間で認識の食い違いがある等、遺産分割協議も含めた問題になることも多いことから、まず弁護士にご相談いただければと思います。
     
    〈参考〉法務省ホームページ
     https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00343.html

    (事務スタッフ 山村)

    パワハラに関する措置義務等の新設を含むハラスメント対応に関する令和2年6月施行の法律改正

    2021-10-06 | 判例・法令等 >

    パワハラに関する措置義務等の新設を含むハラスメント対応に関する令和2年6月施行の法律改正

    セクハラ、マタハラに並び、令和2年6月施行の法律改正により、パワハラに関する雇用管理上の措置義務等が規定されることになりました。

    これにより、パワハラに関する措置義務、パワハラ定義、パワハラ、セクハラ、マタハラについて相談したこと等を理由とする不利益取扱いの禁止の新設、外部の者からの又は外部の者に対するハラスメントへの対応が強化されました。

    パワハラに関する措置義務の内容のなかで、相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備として、相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知すること、職場におけるハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応を行う義務が規定されているところですが、当事務所は、同義務に基づくハラスメントの社外通報窓口としての対応や規定の作成、体制作りのアドバイス等の業務も行っており、この度、神戸市内の法人から依頼を受け、これらの法律改正やハラスメントに関する研修を行うことになりました。

    通報窓口の設置や研修等が、ハラスメントを防止する予防効果や職場環境がより良くなるための一助となればと思いますので、今後も窓口の設置対応や研修について実施していきたいと考えています。

    なお、上記の法律改正に関し、中小企業については、パワハラ措置義務に関する規定は令和4年3月31日までは努力義務となっているものの、既に半年を切っており、中小企業においても窓口の設置や規定の作成、制度設計含め、対応を迫られているところですので、ご注意下さい。

    弁護士 松谷卓也

     

    デジタルプラットフォーム企業の消費者に対する義務

    2020-11-02 | 判例・法令等 >

    デジタルプラットフォーム企業の消費者に対する義務

    アマゾンのマーケットプレイス(出品者がアマゾンの倉庫に製品を保管し、顧客に直接製品を出荷することができるというデジタルプラットフォーム)で購入した中国製のモバイルバッテリーが出火して、自宅が火事になったとして、アマゾン・ジャパンに対して損害賠償を求める訴訟が東京地裁に提起されたとの報道がありました。

    被害者は、商品の製造者が中国企業であり、現地での訴訟を提起するとなると相当な時間、コストがかかることから、当該中国企業ではなく、アマゾン・ジャパンを提訴するにいたったようですが、アマゾンはあくまでマーケットプレイスのサービスを提供しただけですので、製品の製造者には該当せず、製造物責任法に基づく責任を負う可能性は低いものと考えられるため、被害者は、アマゾン側が、商品に瑕疵がないか、商品に問題が生じた場合にユーザーに適切な対応をとる事業者かについて、合理的な審査基準を設けて審査すべき義務や、保険・補償制度を構築する義務の違反を損害賠償請求の根拠としているようで、今後は、このような法的義務の有無が争点になるものと予想されます。

    近頃は、本件のようにデジタルマーケットプレイスで購入した商品の瑕疵を原因とする事故が増加しているようで、これを受けて、消費者庁から、アマゾンなど大手ネット通販運営者に対して、出店する事業者を特定するための対策を講じることを求めるなど、法整備の動きがあるとの報道も耳にするところですが、現実問題として、多数の出品業者や、多量に出品される商品すべてについて、アマゾンが独自に審査基準を設け、これを審査することは可能なのか、デジタルマーケットプレイスとしての利便性を損なう結果に繋がるのではないかとの見方もあり得るところであり、見解が分かれる点ではないかと思います。

    この点、米国では、ペンシルベニア州の男性がマーケットプレイスで購入した商品が原因のケガについてアマゾンを提訴したのに対し、連邦巡回区控訴裁判所が「アマゾンはマーケットプレイスで第三者が取り扱った商品の責任を負う必要がある。」との判決を下したといった報道や、カリフォルニア州の下級裁判所が、「アマゾンはあくまでマーケットプレイスのサービスを提供しただけで、製品の製造・流通・販売を行ったわけではないため、同社に責任はない。」とする判決を言い渡したのに対し、控訴審では、「アマゾンがマーケットプレイスの製品に対して果たす役割が『販売業者』であれ、ただの『販売促進者』であれ、アマゾンのサイトを通じて販売された製品が不良品であったことが判明した場合、アマゾンはその責任を負わなければならない。」として、アマゾンの責任を認め、下級審の決定を覆したとの報道(いずれも、販売業者が不明であったり、ゴーストカンパニーである等、販売業者に対して提訴することが困難であったことから、アマゾンを提訴するに至った事案のようです。)も耳にするところですが、日本においては、どのような法的根拠、判断が示されるのか、今後の動向が注目されるところです。

    弁護士 大本健太

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