2022-01-25 | 弁護士の業務内容 >事務対応について >
支払督促手続とは、債権者からの申立てに基づいて、原則として、債務者の住所地の管轄の簡易裁判所が、債務者に対して金銭等の支払を命じる制度です(民事訴訟法第382条以下)。裁判所が金銭等の支払いを命じると、判決と同様に強制執行が可能となります。
金銭、有価証券、その他の代替物の給付に係る請求について、債権者の申立てにより、その主張から請求に理由があると認められる場合に、裁判所は支払督促を発し、債務者が2週間以内に異議の申立てをしなければ、裁判所は、債権者の申立てにより、支払督促に仮執行宣言を付さなければならず、債権者はこれに基づいて強制執行の手続を採ることができます。
【手続の特徴】
① 裁判所書記官は、債務者の言い分を聞かないで金銭等の支払を命じる「支払督促」を発することとされています(同法第386条第1項)。
② 債務者は、支払督促または仮執行宣言を付した支払督促の送達を受けた日から2週間以内に、その支払督促を発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所に「督促異議の申立て」をすることができます(同法第386条第2項、第391条第1項)。
仮執行宣言を付した支払督促について督促異議の申立てがない場合には、その支払督促は、確定判決と同一の効力を有するものとされます(同法第396条)。債権者は、「仮執行の宣言が付された支払督促」または「確定判決と同一の効力を有するものとされた支払督促」に基づいて強制執行の申立てをすることができます。
③ ただし、債務者が所定の期間内に「督促異議の申立て」をすると、通常の訴訟手続に移行(訴額が140万円以下のときは同じ簡易裁判所、訴額が140万円を超えているときは地方裁判所)し、その手続の中で、裁判官が改めて債権者の請求が認められるかどうかを審理することとなります(同法第395条)。
【手続の流れ】
※裁判所HPより抜粋
通常の訴訟を提起すると提訴費用も時間も多くかかりますが、より簡易な方法で判決と同様の債務名義が取得できる(強制執行に着手できる)場合がある手続です。手続については、まずは弁護士にご相談いただければと思います。
(事務スタッフ 山村)