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商標の類似性

商標の類似性は、使用されている標章と、登録商標との間に、誤認混同を生じるおそれがあるか否かで判断され、具体的には、サービスの需要者が、取引時に通常払う注意の程度を基準に、それぞれの商標の外観、見た目、観念を比較し、取引の実情を考慮して、商標の類似性が判断されます。

例えば、「Agatha Naomi」と「Agatha」という商標の類似性が問題となった事件について、裁判例は、前者の商標は、「Agatha」と「Naomi」の2つの語から構成されていること、それぞれの冒頭は大文字であり、2つの語の間に空白が存在することから、「Agatha」と「Naomi」がそれを分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分に結合したものではなく、アクセサリーの分野において「Agatha」が周知性を有し、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えることから、前者の商標からは、「Agatha」という称呼・観念も生じうるとして、商標の類似性を認めています(知的財産高等裁判所平成21年10月13日判決)。

商標の類似性が認められる場合、商標権者は、類似性が認められる商標を使用する第三者に対し、その商標の使用の禁止、排除と商標権の侵害により証した損害についての損害賠償を求めることが出来ます(商標法36条乃至同38条)。

このような商標の類似性が問題となるのは、登録商標と類似性を有する商標を、第三者が無断で使用しているため、これを止めさせたい、使用を止めるよう求めても無断で使用し続けている、自身の使用する標章が、第三者の使用する商標と類似するとして使用を止めるよう求められているといった紛争性の高い場合が多く、このような紛争処理はまさに弁護士の分野と言えます。

また、商標の類似性の有無は、法的知見から多数の裁判例を比較検討することなしに判断することは困難ですので、商標の類似性が問題となった場合には弁護士にご相談いただくのがよいと思います。

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