個人のお客様
HOME  >  個人のお客様  >  離婚  >  養育費等に関する民法等の改正(2024年)

離婚

養育費等に関する民法等の改正(2024年)

2024年5月に民法等の一部が改正され、養育費等に関するルールの見直しが行われました。同改正法は、2026年4月1日から施行されます。

1 法定養育費の新設(子の監護に要する費用の分担の定めがない場合の特例)
  上記改正前の民法では、子の監護費用(養育費)を決めることは協議離婚の要件とはされてい
 ないため、養育費が決められないまま離婚し、養育費の請求が困難になるケースが少なくありま
 せんでした。
  そこで、改正民法では、法定養育費制度を創設し、父母が子の監護費用の分担の定めをするこ
 となく協議離婚をした場合に、離婚の日から、①「父母がその協議により子の監護に要する費用
 の分担についての定めをした日」、②「子の監護に要する費用の分担についての審判が確定した
 日」、③「子が成年に達した日」のいずれか早い日までの間、毎月末に、子の監護費用の分担と
 して、子の最低限度の生活の維持に要する標準的な費用の額その他の事情を勘案して子の数に応
 じて法務省令で定めるところにより算定した額の支払いを請求することができることを定めまし
 た(改正民法766条の3)。

2 先取特権の付与
  上記改正前の民法では、父母間において養育費の取決めがされたとしても、その取決めが強制
 執行文言付き公正証書によるものでない限り、裁判手続により債務名義(判決等)を取得しなけ
 れば、執行手続の申立てをすることができませんでした。
  そこで、改正民法においては、子の監護費用に関する債権(養育費債権)に一般先取特権を付
 与し、確定判決等の債務名義がなくても、「子の監護費用に関する債権(養育費債権)の存在を
 証する文書」(例えば、父母間の養育費支払の合意書等)によって養育費債権の存在を立証する
 ことで、債務者の財産の差し押さえが可能となりました。
  また、改正民法においては、法定養育費についても、一般先取特権を付与されました(改正民
 法308条の2)。

3 養育費等の請求の裁判手続における情報開示義務
  上記民法の改正に伴い、家事事件手続法及び人事訴訟法も一部改正されています。
  改正家事事件手続法及び改正人事訴訟法により、調停・審判事件や離婚等の訴訟において、裁
 判所は、当事者に対し、その収入及び資産状況に関する情報を開示するよう命じることができる
 制度(情報開示命令)が新設されました。
  また、当該情報開示を命じられた当事者が、正当な理由なくその情報を開示せず、又は虚偽の
 情報を開示したときは、家庭裁判所は、10万円以下の過料に処すると規定されました(改正家
 事事件手続法152条の2第3項、改正人事訴訟法34条の3第3項)。

4 養育費の請求についての民事執行手続きにおける負担軽減特例(執行手続のワンストップ化)
  養育費等に係る金銭債権の債務名義を取得したとしても、任意に弁済がされない場合は、裁判
 所に対して民事執行を申し立てることになるところ、債権者は債務者の財産状況を把握していな
 いことも多いため、債務者の財産調査をする手続きとして、財産開示手続き(民事執行法19
 6条以下)や第三者からの情報取得手続き(民事執行法204条以下)を裁判所に申し立てるこ
 とが考えられますが、時間と費用を要し、養育費等の債権者にとって、大きな負担となっていま
 した。
  そこで、改正民事執行法では、養育費等の請求権について執行力のある債務名義の正本を有す
 る債権者が、①財産開示手続の申立てをした場合には、開示された財産(債務者の給与債権に限
 る。)について、また、②債務者の給与債権に係る情報取得の申立てをした場合には、情報開示
 された債務者の給与債権について、いずれも債権者が反対の意思を表示したのでない限り、差押
 命令の申立をしたものとみなされることになりました(改正民事執行法167条の17)。

離婚に関連する情報

ページトップへ