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配転

配転とは、従業員の配置の変更であって、職務内容または勤務場所が相当の長期間にわたって変更されるものをいい、このうち同一勤務地(事業所)内の勤務場所(所属部署)の変更を配置転換、勤務地の変更を転勤といいます。

長期的な雇用を予定した正規従業員については、職種・職務内容や勤務地を限定せずに採用され、企業組織内での従業員の職業能力・地位の発展や労働能力の補充、調整のために系統的で広範囲な配転が行われていくのが普通であり、実際に就業規則においても「業務の都合により出張、配置転換、転勤を命じることがある」などの一般的条項が定められているのが通常です。

使用者の労働者に対する配転命令を根拠づけるのは、上記のような労働契約上の職務内容・勤務地の決定権限(配転命令権)ですが、配転を不服とする労働者から、職種乃至勤務地を限定する合意があったとして、配転命令権の存否が争われることがあり、企業としては、労働者の配転を見越して、企業の実情に応じて就業規則に合理的な配転条項を定めたり、従業員のキャリアを、転勤を予定する社員コースと転勤を予定しない社員コースで明確に区別し、従業員に選択させる別雇用制、勤務地限定制を採用する等の措置を事前に講じておく必要があります。

また、配転命令権が認められるとしても、かかる配転命令につき、「業務上の必要性が存しない場合又は業務上の必要性が存する場合であっても、・・・他の不当な動機・目的をもってなされたものであるとき若しくは労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるとき」には権利濫用として当該配転命令が無効となるとともに、場合によっては、不法行為として使用者の労働者に対する損害賠償義務が認められる可能性があります。

従来、裁判例で権利濫用が認定された配転命令の多くは、要介護状態にある老親や転居が困難な病気を持った家族を抱えその介護や世話をしている従業員に対する遠隔地への転勤命令等でしたが、2007年に制定された労働契約法第3条2項において「仕事と生活の調和」への配慮が労働契約締結、変更の基本理念として規定されるに至る等、ワーク・ライフ・バランスの社会的要求が高まっている現在の社会的状況のなかでは、企業の人事管理においても、家族の介護のみならず、育児のための必要性、夫婦や家族の一体性などに対しより丁寧な配慮が必要とされていくものと思われます。

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