中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金については、これまで、労働基準法37条1項ただし書きにより、延長して労働させた時間が1箇月について60時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないとされていたものの、労働基準法附則138条により、中小企業主の事業については、当分の間、労働基準法37条1項ただし書の規定は、適用しないものとして、中小企業については猶予されていました。
これが、2018年の労働基準法改正により改められ、2023年4月1日から労働基準法付則138条による猶予阻止が廃止されることになりました。
つまり、中小企業においては、これまで1箇月の労働時間が60時間を超えても25%だったのが、50%となります。
長時間の残業に頼っている中小企業においては、実質的な賃金の上昇となり、今のうちから対策を検討していかなければ、経営を圧迫する問題となり、残業時間を減らすための人員体制と不要な残業の禁止、業務効率化を図る必要があります。